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  • 改訂 歯科医療安全管理の手引
  • 定価 本体2200円+税
  • B5判 112ページ
    発行:自由工房
    ISBN:978-4-901450-16-4
    C3047
  • 注文数:
  • 改訂 歯科医療安全管理の手引
  • 歯科医療情報推進機構 編著
  • 医療法ですべての歯科医療機関に義務づけられた「医療安全管理」はこれ1冊で万全!
  • ◎自院の診療体制にふさわしい「医療安全管理指針」の作成、定期的な院内研修を実施するとともに、自ら定めた業務指針に基づいた適切な運営が求められています。
    ◎「歯科外来診療環境体制加算」算定に不可欠!

    20年度診療報酬改定で新設された「歯科外来診療環境体制加算(外来環)」算定に必要な届出書類、指針作成ノウハウ、管理記録表例など実用情報満載です。マニュアルとしてご活用下さい。
  • 序に変えて
  • 本書の目次


序に代えて

医療安全のための取り組みは医療法で定められた義務

■すべての医療機関に安全対策を義務づけ
医療の質の向上と安全・安心の確保は国民の願いであり、医療機関が最優先に取り組むべき課題のひとつです。そのため医療機関の管理者には、自院の診療体制にふさわしい「医療安全管理指針」を作成し、職員を対象とした院内研修を定期的に実施するとともに、自院で定めた業務指針に基づき適切な運営を行うことが求められています。
厚生労働省は平成14年4月に医療安全対策検討会議がまとめた「医療安全推進総合対策」(報告書)を基に、同年10月からはすべての病院と有床診療所に医療安全管理体制の整備を義務づけるとともに、15年4月には特定機能病院に、同年6月には臨床研修病院を対象に、専任の院内感染対策担当者の配置など上乗せ措置を義務づける通知を発しました。
「医療安全推進総合対策」が出された当時、歯科診療所には医療安全に関して具体的な取り組みは求められておらず、「安全管理体制の整備が促進されるよう通知の趣旨について周知に努める」にとどまっていました。
しかし、平成18年6月の医療法第5次改正では、第3章として「医療の安全の確保」の項が新たに設けられ、すべての医療機関における医療安全の確保のための措置が19年4月1日付で義務づけられました。これにより、病院はもとより、歯科診療所などの管理者にも、医療安全確保のための指針の策定、従業員への医療安全に関する教育・研修の実施、医療事故の報告、その他医療安全にかかわる措置が求められることになりました。具体的には、

(1)医療安全指針の策定、安全管理委員会(歯科診療所ではスタッフミーティングで可)の開催、従事者研修の実施、事故・インシデント報告などの措置を講じること。

(2)医療安全確保のための具体的措置として、
[1]院内感染対策のための体制確保
 ア 院内感染対策指針の策定
 イ 院内感染対策責任者の設置
 ウ 院内感染対策のための従事者研修の実施
 エ 感染症の発生状況、インシデント報告、その他院内感染対策の実施

[2]医薬品の安全確保のための体制確保
 ア 医薬品管理責任者の設置
 イ 医薬品安全使用のための従事者研修の実施
 ウ 医薬品安全使用のための業務手順書の作成とそれに基づく業務実施
 エ 医薬品安全使用に必要な情報の収集など安全使用のための方策の実施

[3]医療機器の安全確保のための体制確保
 ア 医療機器安全使用責任者の設置
 イ 医療機器の安全使用のための従事者研修の実施
 ウ 医療機器の保守点検計画の策定と実施
 エ 医療機器の安全使用に必要な情報の収集など安全使用の方策の実施

などが義務づけられ、平成19年6月30日以降、すべての歯科医療機関は医療安全のための体制を整えなければならなくなりました。
さらに、26年6月の「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(地域医療・介護総合推進法)の成立に伴い改正された医療法では、すべての医療機関の管理者に、医療事故が発生した場合にはその日時、場所、状況などを医療事故調査・支援センター(27年10月1日発足)へ報告するとともに、原因究明のための院内調査が義務づけられることとなりました。
なお、20年4月の診療報酬改定で新設された「歯科外来診療環境体制加算」は健康保険法による診療報酬上の加算であり、算定は個々の診療所の意思に委ねられていますが、医療法で課された医療安全のための体制整備はすべての歯科医療機関の義務とされた点に留意しなければなりません。
■医療安全の取り組みは国民の目で評価される
歯科医療機関の管理者にこうした重い責任と義務が課されることになった背景には、国民の生命と健康を守るべき医療機関で、残念ながら医療事故が相次いでいる実態があります。また26年に入り、歯科治療に用いられる器具(とくにハンドピースなど)が、感染のおそれが強いにもかかわらず、患者ごとに十分な消毒・滅菌が行われていないのではないかとの報道がなされたことからもわかるように、歯科医療機関における感染防止対策は本当に十分なのかといった疑問がもたれている現実も直視しなければなりません。歯科医療機関の管理者はこれらを十分に認識した上で、職員への教育・研修、事故ならびにインシデント情報の収集と分析を重ね、事故発生時の初動対応ならびに再発防止策の立案、発生予防および発生した事故の影響拡大の防止に努めなければなりません。
歯科医療機関がこれらの措置を滞りなく準備しているかどうかは、都道府県、保健所設置市および特別区に設置が義務づけられている医療安全支援センターが、広く患者やその家族からの相談・苦情を受け付けることによって判定されることになります。つまり、歯科医療機関が行う医療安全のための措置は、国民の目で評価されるということです。
本書は、歯科医療機関を管理・運営する歯科医師の皆様が、患者のための医療安全対策を一刻も早く講じるための一助として企画されました。歯科医療における安全管理のための指針やマニュアルは、本書によって容易に作成することができますが、重要なことは、策定した指針を具体的に運用し、安全な診療体制を維持継続することです。そして何よりも、これらを通して安全管理体制を組織内に根づかせ機能させることで、歯科医療機関における安全文化の醸成を促進することです。指針やマニュアルを飾り物とせず、日々の実践に生かされることを願ってやみません。

平成26年8月
歯科医療情報推進機構


本書の目次

  • 序に代えて

    1 歯科診療所に求められる医療安全対策
    (1)策定・作成すべき指針など
    (2)定期的な職員研修の実施と記録
    (3)事故情報の報告と収集・記録
    (4)患者からの相談への対応

    2 歯科外来診療環境体制加算とは
    (1)基本的な考え方
    (2)歯科外来診療環境体制加算の施設基準

    3 医療安全のための指針などの策定
    3−1  医療安全管理指針(モデル)
    (1)医療安全に関する基本的考え方
    (2)医療安全のためのスタッフミーティングの実施
    (3)医療安全のための職員研修の実施
    (4)医療安全管理者等の配置
    (5)医療事故発生時の対応方針の確立
    (6)患者との情報の共有を図るための基本方針
    (7)患者からの相談に対する基本方針

    4−1  院内感染防止指針(モデル)
    (1)院内感染管理に関する基本的な考え方
    (2)感染防止の具体策
    (3)薬剤の適切な使用
    (4)職員の感染防止と予防接種
    (5)院内感染管理対策
    (6)院内感染発生時の基本方針
    (7)院内感染防止指針等の患者への閲覧

    4−2  院内感染予防マニュアル(モデル)
    (1)標準予防策に基づく具体策
    (2)歯科診療用器具の汚染対策
    (3)針刺し(曝露)事故
    (4)医療廃棄物の適切な処理

    5  医薬品の安全使用のための業務手順書(モデル)
    (1)医薬品安全管理責任者の配置
    (2)医薬品の管理
    (3)医薬品などの使用に際しての確認
    (4)処方と調剤
    (5)他施設との連携
    (6)医薬品情報の収集と提供
    (7)緊急時の対応

    6  医療機器の保守点検計画書(モデル)
    (1)医療機器保守管理責任者の配置
    (2)従業員に対する医療機器安全使用研修
    (3)医療機器の保守点検
    (4)保守点検計画と業務委託
    (5)医療機器安全使用のための情報収集と改善方策

    7  緊急時対応マニュアル(モデル)
    (1)歯科診療における医療事故への対応
    (2)予想される偶発症
    (3)協力医療機関との連携

    [資料]
    医療法(医療安全の項抜粋、平成26年6月25日改正)
    医療安全推進総合対策 --医療事故を未然に防止するために--(平成14年4月17日)
    歯科医療機関における院内感染対策について平成26年6月4日医政局歯科保健課長
    一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針一般歯科診療時の院内感染対策作業班
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